老化症状を寄せ付けない「細胞の回復」

ほとんどの生物は

ミトコンドリアに記録された遺伝子情報が正常に伝わる事によって

動く、食べる、眠るなどの生活をしています。

しかし生きる上ではどうしても老化がともない、今まで普通にやっていたことが、やりづらくなったりする老化症状が出てきます。

今までは老化現象は防ぎようの無い事とされてきましたが、老化の原因と対処法が明らかにされようとしています。

 

■老化の原因 = 回復力の低下

なぜヒトは老化するのでしょうか?

それは細胞損傷の回復が鍵となります。

細胞が物理的に、または放射能など気づかないうちに損傷した場合に回復しようとします。

ところが、その回復を促すサーチュイン遺伝子が働かない場合は回復の命令が出せず、

損傷したままとなり様々な障害が出てしまう、それが老化です。

更に

サーチュイン遺伝子が働くために必要な

NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)も加齢とともに減少し、

生成できなくなり老化への拍車をかけます。

つまり、老化の原因はNAD+減少によって「細胞の損傷が回復できなくなった事」という事になります。

日焼けで例えると

若いうちは日焼け止めも塗らず、思う存分に外で遊んでいましたが、歳を取るとシミになることを気にして、

日焼け止めクリームを塗って、その上に日焼け防止のアームカバーをして、

サンバイザーを深くかぶり紫外線を浴びないようにしますよね。

これは加齢にともない、紫外線から肌を守るバリアの力とダメージを回復する力が弱くなってしまうからなのです。

 

■老化にともなう症状

私達の体内でNAD+が減少し、生成できなくなると

サーチュイン遺伝子が細胞の回復を促すことが出来ず多くの障害をもたらします。

代表的な例を挙げると

骨格系

骨量や骨密度の低下による骨粗訴訟や骨折、関節液減少や滑膜の弾力低下による関節炎を引き起こし、寝たきりとなる方も少なくありません。

腎泌尿器系

糸球体の喪失や腎血流量の低下、ろ過率の低下により夜間尿量が増え、尿失禁を引き起こします。

消化器系

咀嚼や嚥下(えんげ)能力の低下による誤嚥性肺炎、消化管運動が低下することによる便秘や便通の異常、胃内容物の食堂への逆流による逆流性食道炎などがみられます。

呼吸器系

肺胞そのものの数の減少、肺の弾性力の低下などにより、呼吸機能が全般的に低下します。

心血管系

左室の肥大や冠動脈効果、運動時の最大心拍出量が低下します。

これによって心筋梗塞や心肥大、高血圧を引き起こします。

脳神経系

大脳萎縮や脳細胞の減少、神経伝達物質の活性低下などから、認知機能の低下がみられます。そのため、70歳以上の約1割、90歳以上になると5割が認知機能低下に伴う認知症になります。

 

■NAD+は直接取り入れられない?

NAD+が加齢にともない減少してしまうのであれば

NAD+を体内に取り入れれば良いのではないか?と安直に思うかもしれませんが、

NAD+は吸収されず排出されてしまうため直接体内に取り入れることはできません。

そこで、脳内でNAD+に変換されるNMN(ニコチンアミドヌクレオチド)を取り入れることで対処が出来ます。

口から服用するという簡単な方法で取り入れられるものとして

現在、多くの企業や研究者が注目しています。

 

■おわりに

年齢を重ねることは誰にも避けることはできません。

しかし、細胞レベルで老化を防ぐことで、老化症状やより長く生きる事が可能になるかもしれません。