気づかないうちに重症に!?「サイレントキラー」から命を守るNAD+

世界中で起こっている心疾患

心疾患は症状が無いまま病状が進行し、病状が現れた時には既に重症であり、死に至る可能性も高いことから、「サイレントキラー」と呼ばれます。この心疾患は動脈硬化や高血圧、高脂血圧などの老化に関連することやストレス、肥満、糖尿病、喫煙などから起こると考えられています。現在、処方される心疾患の治療薬には、めまいやふらつき、むくみ、出血などの副作用があります。

病を治すための薬ですので、強く反応が出てしまうのは致し方ない事とされてきましたが、今日の研究で明らかな副作用が無い治療薬が開発されようとしています。

 

細胞の損傷が全てのはじまり

心疾患の元をたどると、
細胞が損傷し、血液が十分に流れない状況から始まる事から、
血管壁の内皮および、平滑筋細胞における血管拡張と再生機能を促進する働きを持つ、サーチュイン遺伝子を活性化させる事で防ぐことが出来るのではないかと考えられ、サーチュイン遺伝子を活性化させるNAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)の投与で効果がでるか研究がされています。

 

サーチュイン遺伝子の源「NAD+」

 

NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)とはビタミンB3から作られ、普段からヒトの体内に存在しているものです。
ビタミンB3から作られるものですから、もちろん食材にも含まれています。
このNAD+は
細胞が損傷をした時に回復させる働きをもつサーチュイン遺伝子を活性化させる働きがあります。
つまり、細胞が損傷しても回復ができず、老化してしまったサーチュイン遺伝子の働きを、より活性化させ、細胞の回復を改めて促すのです。
この働きから様々な老化現象や放射能で受けた細胞のダメージを回復させる方面でも注目を浴びており、多くの大学やNASA宇宙開発局も興味を持ち、現在研究が行われています。

 

では心血管に対してNAD+を投与すると、身体の中では何が変わるのでしょうか?

「神経間の伝達」の警備

私たち人間が普段生活するにおいて感じているすべて
それは神経と神経の間で
目で見た景色や、匂い、感触、音、味覚などの5感や
細胞レベルの情報が正確に伝わる事で認識をしています。
この情報の伝達に問題が生じると、5感に影響を与える他にも
うつ病など、心の病気にもつながると言われています。
心疾患の場合は病状が確認できないまま身体の中では症状が進んでいる事から、神経間の情報伝達が阻害されていると言えます。
NAD+は
この阻害をしている一酸化窒素合成酵素に対して働き、一酸化窒素合成酵素の発現を抑え、神経間の情報伝達がスムーズに行われるよう警備します。

「血圧のコントロール整備」

高血圧をはじめ、脳卒中や心臓発作は
血液が十分に流れない状況から起きます。
心疾患においても同じで、血液の流れを正常にする事が重要になります。
NAD+は
サーチュイン遺伝子を活性化し、
損傷、老化した血管を回復させ血液の流れを改善するだけではなく
収縮した血管の拡張を促進します。
この働きにより、毛髪などの毛並みにも影響があるのではないかと言われています。

今後の結果に注目!

ヒト試験において、様々な研究が現在進行中ではありますが、まだ結果は発表されていません。早いところで2018年の冬に発表予定だそうです。

この他にも
サーチュイン遺伝子が活性化されることで、
損傷した細胞だけではなく、
老化にともなって働きが低下した細胞の回復にも効果があるので、
今後、NAD+はあらゆる方面で活躍していくかもしれません。