加齢によって起こる難聴のことを、加齢性難聴と呼びます。
この加齢性難聴は誰でも起こる可能性があり、
50歳頃から始まり、65歳を超えると急に増加するそうです。
その頻度は、60歳代前半では5人に1人、60歳代後半では3人に1人、75歳以上になると7割以上になり、
「仕方ない」と放置していると、
外出先で危険に遭いやすく、緊急災害時の警報が聞こえないなど、さまざまな危険が生じます。
しかし、今までは仕方ないで済まされてきた加齢性難聴に対しても
NMNという成分で改善することができるのではないかと話題になっています。
加齢性難聴の原因
そもそも耳の構造は、
外耳、中耳、内耳からできており、外耳から入った音は、
中耳を通って、内耳にある「蝸牛(かぎゅう)」と呼ばれる渦巻き状の菅に伝わります。
蝸牛には、細かい毛の生えた「有毛細胞」があり、
鼓膜から伝わってきた音の振動をキャッチして、電気信号に変えて脳へ送る役割をしています。
これが、私たちが音を聞き取ることのできるしくみです。
加齢性難聴は、この有毛細胞が加齢とともに損傷することで難聴が起こります。
有毛細胞は、正常な状態では規則的に並んでいますが、加齢とともに壊れてなくなっていきます。
有毛細胞は、いったん壊れてしまうと通常では再生することはありません。
そのため、加齢性難聴は治りにくいとされています。加齢性難聴の場合、通常は両方の耳が聞こえにくくなるのが特徴です。
加齢性難聴の予防方法
加齢性難聴は加齢とともに誰でも起こる可能性があります。
加齢性難聴を悪化させる原因として、
糖尿病、高血圧、脂質異常症、動脈硬化、喫煙、過度な飲酒、騒音などがあります。
糖尿病があると加齢性難聴を悪化させることが全国規模の疫学調査であきらかになっています。
動脈硬化や高血圧などの生活習慣病があると、内耳や脳の血流が悪くなって、
聞こえの機能に悪影響を及ぼすとされています。喫煙やアルコールのとり過ぎは、
動脈硬化や高血圧の悪化に深く関係するので、特に注意が必要です。
これらの原因を取り除くことが、加齢性難聴の予防になります。
また、環境を整えることも大切です。騒音などは体の中に「酸化ストレス」を増加させ、
正常な細胞の組織を壊してしまうため、難聴を起こしやすくするといわれています。
加齢性難聴の治療
今まで加齢性難聴には根本的な治療法はありませんでした。
加齢性難聴と診断されたら、補聴器相談医のいる耳鼻咽喉科を受診し、
医師の指導のもと、連携している認定補聴器技能者がいる販売店で、自分に合った補聴器を選ぶという方法だけでしたが。
今日の研究でNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)というビタミンB3の一つの成分が
損傷してしまった細胞の回復促進を行うことが発見され、注目を集めています。
放射線被曝にも効果があるとされ、放射線被曝後の身体へのあらゆる影響(筋肉障害、がん、視力低下、聴力低下)を改善するものとしてNASAも注目しています。
2016年までマウス試験が行われ、現在、ヒトでの臨床試験が行われているそうです。
医療薬として認定されるまでには長い期間がかかりそうですが、
健康食品として既に販売しているところもあります。
若返りサプリとも呼ばれるNMN。
健康食品の枠を超えて、医薬品ないしは治療薬としての活躍も期待されます。
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