DB フリーザが願った「老化防止」を叶えるNMN

「私の戦闘力は53万です。」

といえば、ドラゴンボールZのフリーザが思い浮かぶだろう。

物語の中でも、主人公、孫悟空が超サイヤ人に変身するための重要なパートであり、数多くの名台詞を生んだキャラクターである。

 

フリーザはなぜ、ドラゴンボールを求め、ナメック星にやってきたのか、

原作を読み返すと、ドラゴンボールを7つ集めなければならないという情報を得る前に

ドラゴンボールに願い事としてこう言っている。

 

「さぁ!ドラゴンボールよ!!

このフリーザさまに永遠の命と若さをあたえなさい!!!」

 

 

これはつまり、

自身のパフォーマンスがこの先永くは続かずに衰えていくことをフリーザ自身が悟り、

それに対して最高のパフォーマンスをより長期的に続けていくため、

ドラゴンボールを求め、ナメック星にやって来たという事である。

 

「老化のメカニズム」

そもそも老化とは、DNAが損傷をした時にどれだけのスピードで回復していくか で決まるものである。

損傷したDNAを回復させるには人間誰でも有しているサーチュイン遺伝子を活性化させる必要があるが、

加齢と共にサーチュイン遺伝子を活性化させるNAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)が生成され

にくくなるのである。

つまり、若いうちはDNAが損傷しても早く回復するが、

歳を取ると回復するスピードが遅くなるにつれて細胞が衰えていき、肌や身体の機能に表れる

それが老化である。

 

老化は避けられない問題とされてきたが、今日の研究で大きく変わりそうだ。

「新兵器NMN」

 

 

 

 

 

サーチュイン遺伝子を活性化させるNAD+は加齢とともに減少していくが、NAD+の他にも減少していたものが確認された。

それはNMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)という物質でビタミンB3から形成されるものである。

NMNは私たちの体内でNADに変換され、DNAの損傷を回復させるのに役立ち

身体能力を全体的に高めて機能を補正する役割を果たす。

すでに多くの大学が研究を重ねており、マウスレベルの研究では

生後22か月(人間では60歳)のマウスにNMNを1週間投与したところ

細胞が生後6か月(同20歳)の状態になったと報告されている。

また

糖尿病のマウスに1週間NMNを投与したところ、血糖値が正常になった事、

メスのマウスにNMNを投与したら寿命が16%延びるというデータも取れているようだ。

研究の中で明らかな副作用というのは認められておらず、今後ヒトへの安全性や効能の確認も行われていくそうだ。

 

「NASAも注目!NMNの研究」

このNMNの研究にいち早く目をつけた組織がNASA(アメリカ航空宇宙局)である。

NASA主催のコンペティション「iTec Forum」でNMNの研究成果は高く評価されたいるのだが

なぜNASAが喉から出るほど欲しているかというと、NMNには宇宙開発と密接なポイントがあるからだ。

NASAが懸念しているのは、宇宙飛行士の宇宙放射線被曝

地球を超えた宇宙空間ではX線やガンマ線といった電磁放射線から、アルファ線や中性子線などの粒子放射線が絶え間なく降り注いでいる。

そのため、短期間のミッションでも

宇宙飛行士の宇宙放射線による加齢、細胞へのダメージは深刻で

筋肉の衰え、記憶喪失などの健康問題は職業病となっている。

火星への有人飛行となれば、4年もの長期にわたり宇宙放射線に晒されるため

全身の5%の細胞が死に、発がんするリスクは100%に達するとまで言われている。

 

つまり

損傷したDNAの回復に役立つNMNを服用することで、宇宙放射線被曝の影響を少なくしていきたいというのがNASAのねらいだ。

NASA同様にNMNを服用することで、放射線の影響を軽減させる事に注目している組織は非常に多い。

わたしたちの身近なところで言うと、高高度飛行をする旅客機に搭乗していても

胸部X線と同量の宇宙放射線を浴びているというのだ。

 

 

なぜフリーザは不老不死を願ったのか、

宇宙を常に移動しているフリーザが考えられないほどの宇宙放射線を浴びている影響で

健康に問題が生じ、今後について悩んだ挙げ句にドラゴンボールを探し求めたのも理解ができる。

NMNは現在、臨床試験の実行中で医療目的で使用される日も遠くは無いかもしれない。